神奈川県立歴史博物館 中世東国の茶
入口に入ると、二つの茶臼がお出迎え。
片方は南宋の唐物茶臼(野村美術館蔵)である。
鎌倉の茶は宋代の禅由来抹茶喫茶文化の伝播である。
そのキーアイテムが茶臼であり、本展示ポスターを堂々と飾る一品である。
…けっして「ウッス!」という挨拶でないと信じたい。
鎌倉時代は供給元が寺で、権力者も分けてもらうという感じ。
室町に至るとぐっとカジュアルに民間でも楽しんでいる、というのが証拠立てて展示されている。
鎌倉時代の茶は、供給元が寺であり、しかも禅寺とは限らない。
禅の茶はそれなりに理性的だが、真言宗系はそうでもない。北斗法の供物とされるお茶は、完全に怪しいドラッグである。
称名寺蔵の「万事秘密集書」にある「茶の湯の作法」が非常に面白かった。
まず九字を切り、軍荼利明王呪を唱える。
「ナムアラタムナタラヤチモシセンダニカバサラフロタヤヲンンコロンノムシロ(略)」
現代のお茶の失ってしまった本当の姿がここにある、んだかなんだか。
非常に力の入った良い展示。お薦めです。