中村修也/洋泉社/2015年。
天正十九年二月二十八日、京で茶の湯の名人・千利休切腹。
この歴史的な事件に疑いを抱こうとは思ってもみなかった。
神津朝夫の「利休の切腹場所は堺」説からはじまり、同時代資料をひもとき、利休が堺で切腹したのか?それは二月二十八日だったのか?それ以前に本当に切腹したのか?ということを検証していくスリリングな本。
内容はここでは詳しく書かない。
だが大変面白かった、という事だけは書いておく。
著者は先行研究をばっさばっさなぎ倒しながら論証していくのだが、大変ひやひやする。
学問なんだから、それが当然筈なのだが…。
これまでの茶の湯史の研究は、ぬるまったかったって事なんだろう。