茶道規範30 聞書 風炉

風炉についての項目。


聞書にて追加された項目。

一 唐金風爐は四疊半眞の臺子の時用ゐるなり
不斷に用る時は黒塗丸板あり寸法もあるなり
茶の湯には堅くるしく見ゆる故に宗偏も宗伯も用ゐられず。
此風爐には雲龍からけなと五徳据ゑ相應なり透木厚朴を用ゐるは粘き故なり

宗偏の時代には、まだ台子の神格化が進んでいなかった。
その後唐風炉に「真の台子用」だとか「堅苦しい」とかのイメージがついたってことではないだろうか。
それにしても、切合風炉じゃないんだ…。


また茶道便蒙抄では、

一 灰の仕樣又多少は爐の内と同意なり可心得(略)

とあるが、聞書では

一 灰の仕樣多少は爐の内と同樣なりと心得べし。(略)
一 灰の仕やう口傳にて容易になりがたし。業にて知るべし。(略)
一 灰の仕やう。山は大小左右入違ひにてもよし

と、いろいろ増えている。

宗偏の時代には、まだ灰形もいい加減で、炉と大した違いはなかったが、大正時代には複雑化していて、結局、風炉の灰の仕様は炉といっしょとはいかなかった、という事だろう。