茶道規範42 要録 茶湯約束ノ事

次いで茶道要録。

第一 茶湯約束ノ事

一 凡茶ノ湯ト云ハ定リテ朝ノ事也
然ルヲ當世誤來テ燈ヲ見ヤウニ往來シ事ヲ約ス如此品多メ古實ヲ失フ故ニ今悉ク改之

按ニ茶ノ湯ト云ヲ朝トスル事ハ茶ハ専ラ睡リヲ打ヲ以テ徳ト賞ス
故ニ夙ニ起夜半ニ勤ルノ助トス是以一日ノ始ヲ賞翫トセリ

一 朝ト云ハ丑ノ中刻ヨリ寅卯ノ刻迄ナリ
是ヲ朝ノ茶ノ湯ト云
客ノ來ル所ハ大法寅ノ刻タリト云共客ノ心得ニヨリテ夫ヨリ早ク來テ時分ヲ考ヘ又ハ我同道ヲ相待事アリ
然ルヲ其儘難閣ガ故ニ丑ノ中刻ヨリ待ツ可ナリ
(略)

ここから後、飯後とか昼の茶事とかの解説が続くが、カット。


茶の湯は本来、朝の茶の事である。
しかし、最近は間違って明りを見るためにお客に行く様に約束するのは、故実に反するから改めようと思う。

考えてみると茶の湯を朝のものとするのは、茶は目を醒ますのがナイスだからだ。
だから、早起きして夜中に仕事するのを助けてくれる。一日のはじまりを楽しむのだ。

朝というのは深夜2時から朝5時までの頃だ。
是を朝の茶の湯という。
客の来る時間は4時頃がいいと思うけど、客の考えによってはもっと早く来て相客である私を待ってくれることもあるだろう。
でもそんなの判らないから深夜2時には行った方がいいよ。


一日二食制の時期は朝茶で、一日三食の時代が来て昼茶が主流になった、と思っていた。
しかし、宗偏の時代の朝茶とは、我々の考える夏の朝茶ではなく、暁の茶事。

これが基本だったとは…。

日の出と共に仕事を開始する時代の人が、一日仕事を無駄にしないでお茶をするにはそれぐらいの早さがいるのかもな…。


しかし、茶の湯の基本が「夜明けのコーヒーをご一緒しようぜ」的なソレだったとは…