茶道規範46 要録 風爐の季節
風爐ハ元ト春秋ノ差別ナク暖氣ノ時用ユ。
火ハ極陽ノ純精故ニ上レリ
爐ハ下ニ有テ火氣強熾タリ是ヲ以テ冬専ラニ用ユ
暖カナル時ハ必ズ風爐ニ上テ涼シカレシム其文字ヲ以テ考フベシ
(略)
宗偏は、暖かい時は風炉で寒い時は炉である、と考えていた。
炉は畳より下にあって熱を上に運ぶ。
全身が暖まってしまう。
しかし風炉はそうではない。
そんな風に考えていた。
一般的な出炉向炉の場合、風炉の方が客から遠いから。
炉の方が炭の分量が多く熱量が高いから。
風炉の方がシールドされているから。
そんな風には考えていなかった様だ。
なにより重要なのは、利休没後百年もすると、炉の茶の湯が発生する前は風炉の茶の湯しか無かった事や、室町時代は冬でも風炉の茶だった事等がすっかり忘れられていることだ。
宗偏は口伝で宗旦の茶の湯を受け継いでいて、自身茶書も執筆したが、先行する茶会記の研究とかはしなかったんじゃないかな…。