茶道規範80 利休伝4 宗旦の相続
(略)
少庵(略)出京ノ時ハ本法寺前ノ町ニ屋敷ヲ求テ不審庵ヲ營ス
即チ宗旦相續シテ立リ
宗旦ガ事蹟世近キガ故ニ並テ人ノ知所ナリ
居士ノ書メ蔵主ト云者其節春屋國師ノ徒弟トシテ學ベリ
居士滅後其家闕所タリ
悉ク所持ノ重寶被召上是皆讒口ノ訴ト御聞分ノ後利休ヲ惜ミ思召シタリト也
宗旦ニ家財ヲ賜ヘリ
於是居士ガ迹相續ノ案堵タリ
宗旦の相続ストーリーは、
- 少庵の赦免
- 少庵の京への帰還
- 宗旦の還俗
- 宗旦、利休の遺産を相続
であるのは、大体「茶話指月集」に同じである。
…本当は宗旦の還俗の前に長男ができちゃったりもするんだけど。
ただ、「千家の相続」が、相続の前に行われていた様に読める様に書かれているのが違いかも。
宗旦が利休の遺産を相続した、と言う話は、京都千家側の主張ではあるが、少庵はともかく、道安すらさしおいて拝領したと言うのにどういう意味が有るだろうか?
少庵が相続してしまうと、利休の後継を道安でなく、少庵であると秀吉が宣言したことになる。
これだと利休を殺した人によって選ばれた一族、になってしまう。
一世代無視することで、世継のいない道安が選ばれなかった…ということにしたかったんではないだろうか?
ちょっとキナ臭い…。