天王寺屋会記に見る宗及の亭主ぶり

天正4年、宗及の茶会参加は、こんな感じで繰り返される。

主主客主主客主主主主主主主客客客客主主主客主主主主

しばらく連日亭主をして、突発的に、あるいは連続して客になり、また連続して亭主をする…という感じである。

が、子細に見るとむしろ「連日亭主を続けているが、たまに客になる」という方が正しいことがわかる。

4連続して客になっている時期は、亭主が奈良から京都の人間…つまり旅行中である。さすがに亭主にはなれない。

7連続して客になっている時期は11月から12月。12月5日まで自会記の記述が欠けているので客ばっかりやってるように見えるのである。

10月から11月の口切時期に、自分の茶会をしないとも思えないので、その部分の自会記が散逸しているのではないだろうか?

もっともその時期の記述の有る天正5年の自会記を見ても、「茶湯常如」が書かれているほどで口切らしい茶会はしていない。もしかすると、口切という風習に興味がなかったのかもしれない。