美術骨董品投資の秘訣7
鑑識力を養う方法
(略)
素人はまず、見ることから始めるべきである。
何を見るかといえば、博物館を見ることである、美術館を見ることである、画集を見ることである、美術倶楽部の売立を見ることである、美術倶楽部の売立目録を見ることである。
これは判る。
でも目ばっかり肥えるという弊害もありはしないだろうか?
…まぁろくでもないものは買わなくなるか。
然し、これには一つの条件がある。たヾ見るだけでなく、判断しつヽ見るのである。
何故ならそこにあるものことごとく芸術価値高きものと考えたら大間違いだからである。
たしかに「これはどうなん?」という品が展示されている事も無いではないな……。
概していつて、公けの所蔵のものより個人の所蔵のものの方が芸術的魅力に優れているのが普通である。
個人が身を切るような大金を出して買うという品はそれだけの魅力があるものなのである。
道具単体の力ではハイエンド美術館の所蔵品には敵わない部分はあるが、個人の所蔵品にはコレクションの方向性によるまとまりがあるからなぁ。
三井記念より、時に北村美術館の方が魅力的なのはそのおかげだと思う。