美術骨董品投資の秘訣8

約束に合うもの必ずしも本物ならず

ということで、鑑定時の「約束」の話。

美術骨董品の鑑定は本物と贋せ物との判定を目的とするもので、これには基礎的な研究があるに越したことはない。

つまり、まずは「本を読め」という事である。

例えば、祥瑞と称する有名な磁器は、こういう胎土を使つた、染付のコバルトはこういうものであつた。
(略)
すべて美術骨董品には、こういう約束というものがある。
それが本物である要件である。
しかし、反対にこの約束、要件を備えていれば、必ず本物とは断定できない。
何故ならば、精巧な贋せ物は、殆んど要件に合うように、土なり、紙なりから作つているからである。

そういえばドイツの軍服の偽物には、当時の糸と布のデッドストックを使い、当時のミシンを使い縫うという凝ったものがあったなぁ。

これらを見破るのは、たヾ約束、要件を覚えたヾけの基礎的知識だけくらいでは、到底できるものではない。
体験に体験を経、修練に修練を重ねた秀れた眼力、綜合的な勘ともいうべき直観力によつて、漸く辨別なし得るのである。
(略)

最後の最後にアドバイスがもやっとしてしまったのが残念。
たぶん、「騙されて痛い目見て覚えろ」と言っているのだと思う。

とりあえず、私はもっと約束を覚えないといけないのだろうなぁ。
なんだか雰囲気いいが、約束に合ってない偽物ってのに騙された事があるんで…。