茶花の本名3
二種類のクリスマス・ローズ。ヘレボルス・ニガーと、オリエンタリスのお話。
「でも、クリスマス・ローズや春咲きクリスマス・ローズじゃバタ臭くて、茶花の名前にはしにくいな」
「茶花というと何でも漢字にしたがるようですね。まぁ冬牡丹でも寒芍薬でもよろしいですが、人によって勝手に使われると名前の意味がありませんから、ニガーは冬牡丹で、オリエンタリスは寒い芍薬にしておいたらどうですかね。」
「私はこれからそうしますけど、世間一般はどうなんでしょうか。我々でそれこそ勝手に決めてもいいんですか?」
と、後は大笑いになってしまいました。
クリスマスローズを茶花に使うにあたって勝手な和名を付ける、というお話。
まぁ笑い話ではあるものの、確かに外来種丸出しの名前は茶会記に書きづらいか。
懐石のハマグリの代わりにホンビノスの名を出しても受け入れられると思うのだが、花は駄目か…。
茶花は存外偏狭な世界なのかもしれない。