松花堂昭乗3

昭乗の交友関係。

昭乗は終身男山にのみ居たのではない。
屡々京都・大阪へ往復し、江戸に至り家光に講し、また奈良に遊び尾州賀州へ下向した事もある。
京都に於ては近衛三代(前久・信尹・信尋)の恩顧を蒙り、廣く公家に出入し、中院通村・烏丸光廣とも交渉があつた。
(略)
其他昭乗の風流を聞いて集ひ来る者多く、木下勝俊石川丈山・佐川田昌俊・小堀政一等の武家あり、林羅山・三宅亡羊等の學者があつた。

なんか俺の中では本阿弥光悦としか交流してないボッチキャラみたいになっていたが、全然違った。

むしろ超社交的。

でもまぁそうか。社交的でない人間は、「字がうまい」くらいじゃ評価されない。
というか「字がうまい」なんてことも評価されない。それを他人に知られないから。

んで気になること。

…もし、昭乗が豊臣秀次の子供であったら、もっとひっそり暮らすべきだろうし、木下長嘯子とお付き合いするのはなんかまずそうだし、遠州はむしろ豊臣家滅亡の立役者の一人だし、交友関係むちゃくちゃである。

血筋重視の時代に「字がうまい」という特技があったので、なんで字がうまいの?だれか貴種の末裔なんじゃ?みたいな憶測があったんじゃなかろうか?
さらに自分語りしない人間だったので憶測に憶測が重なった、そんなトコじゃないんじゃろうか?