茶儀指掌3

「風爐左勝手薄茶点之圖并点茶仕樣ノ事」より。

これまた割と普通の風炉薄茶なワケだが、やっぱ違うトコはある。

茶杓ニテ茶ヲサバキ其杓碗ノ縁ニテ一寸打拂ヒ(略)
(略)
第貳圖其四ノ如ク扨水指ノ蓋右ニテ取り。(略)
(略)
柄杓右ニテ取リ。左手アシラヒサバキ右ニ持。
水一杓汲ミ釜ヘサシ入、直ニ湯ヲ汲ミ碗ヘヨキ程入レ湯釜ヘ戻シ入。

風炉には水を差し(湯返しはせず)茶を点てる。

千家系が風炉に水を差さずに蓋ばかり開けてお点前を続ける不自然な「約束」をしているのに比べて、ずっと自然である。

では、炉の時は客が呑んでいる間に炉に水を差していたが、風炉ではどうかというと:

主ハ釜ノ火加減湯ノ加減ニヨリ釜ヘ水差入ルコト隨意ナリ

どっちでもいいのであった。

再服ヨリ点茶ノ湯汲入ル前ニ釜ヘ水差加ヘル事無。初服点茶ノ時一度ニ限ナリ。

ただ、次客からは水は差さない模様。

このやり方だと釜の水は減る一方なので、あんまり客が多いと空炊きになっちゃうね。