床の間の構成 装飾編9

床の間の置き物のいろいろの中で、茶道具文房具でないものを。

其他特殊の置物としては、採鑛家の趣味や嗜好として、よく金鑛、方解石、孔雀石等の自然鑛を飾ることもある。

盆石に関しては、室町時代まで遡れそうな古い趣味。
でも、これの置場は、床の間から玄関先に移動してしまった気がしなくもない。

其他建築趣味として、建築物の模型を鋳物或ひは木彫りとして違棚や書院に置くこともある。これは古來より多寶塔や夢殿や五重塔等の燒物、金属製のもの等があつて、よく飾られたものである。

あったねぇ。ペカペカの五重の塔。

夫人室や令嬢室、小さい子供室の床飾りとして、人形はもっとも適はしいもので、また日本趣味としての人形は可なり藝術的のものがある。

んで人形。

棚の下部へ碁盤或ひは将棋盤等を飾る場合がある。娯樂趣味としても雅致のあるもので、その飾り方は、碁盤には碁笥、将棋盤には棋匣を縦に二つ並べて置くのである。

碁盤。あれは実用品を倉庫代わりにしていたのじゃないのか。

床の間や違棚或ひは其他の棚に飾るものゝ近代的なものとして時計がある。

これは大名時計の影響かな?

刀掛 武家が刀を掛けて置くものであるが、徳川中期より刀剣等を飾つて床の間の置物とした。

こっちも武家からの流れ。


床の間の置き物の、茶道具文房具でないものを集めると、むしろそっちが主流派な感じになる。

つまり一般家屋での床の間は、もはや茶道のものではないということ。

そして昭和初期の床の間は、もう現代のと全然違わないということ。…いや、昭和50年代あたりと違わないだけか。