数寄屋図解事典10

したつゆ(下露)
茶会の際露地の掃除を終って客来集参までに内外露地一帯残らず潤いをゆきとどくように水を打つのを下露といわれ(略)
(略)
下露は露地桶で勺を用いることを古来の習としているが、場合により酷暑などでは下露に限って今日では如露や水道のホースを用いてもよいといわれる。

これは酷い。

まぁ客の目の前じゃないんだから実際略式でやっちゃうのかもしれんけど、それ含めて「三露」なんてのはポンポン痛いのだが。

しばおんこうがたちょうずばち(司馬温公形手水鉢)
京都の等持院の青漣亭前にある手水鉢。壊れた壷の形に起因して司馬温公の手水鉢と呼ばれ(略)

司馬温公は司馬光北宋の政治家文人で、資治通鑑の編者で、朱子学の偉い人。

水瓶に落ち溺れる友人を助けるために瓶を割ったという子供時代のエピソードあり。
これにちなんだわけやね。

割れ瓶の花器を見たら「温公ですか?」ぐらい言っとけ言っとけ。

じぶつどう(持仏堂)
茶の湯に禅林の清規を入れて茶禅一味の思想が起こり、ここに茶を恭敬し、茶室を禅堂と同じ意味で草庵や書院の形式に捉われずに一つの信仰的態度を中心としてできたのが茶堂の形式で、この茶堂の内部に厨子を配置して持仏堂としたものがある。
(略)

禅林の清規を元にしてたら板張り椅子席になっちゃうので、なんらかの飛躍があった筈。

禅の側が先に畳敷の仏間を普及させたのか、あるいは板張りで茶をするのに茶人が耐えられなかったのか…。