庭園入門講座7 岩石・庭石・石組方法5

「石組の法」の章。
いよいよ具体的な石の組み方になるのかと思いきや:

昔は庭に石を入れて石を組み、石庭とするとき「石をすえる」とはいわなかった。
石を置く、重ねる、立てる、たたむといった。
(略)
飛石はさすがに平面であるので立てるとはいわず「打つ」という。
(略)
「据える」というのは(古文では居の文字を使っている)一般の言い現わし方であって、石の美しさということはこの文字のなかには多くふくまれていない。
単に「置く」というのよりはいくぶんましである。

石を置くとか据えるとかいう用語が著者には許せなかったようだ。

ここにいう「立てる」という文字についてはかつて金田一春彦氏も考証されているが、少しく説明が必要である。
これは「物をタテに置く」という動作だけを示したものではない。横たわると、立っているとの差でもない。石というものは天然にあっては横になっている形が安定形である。自然はすべて安定を好む。
(略)
そこで「立つ」ということは「今までなかったものが姿を現わす」とい解するのが正しく、金田一氏もそう解釈している。

何と戦っているんだろうか…この著者は。