最強茶人決定戦

「二人集まればどっちが強い?と考えるのが男」と板垣恵介も言っていた気がするので、最強の茶人は誰か?についてちょいと考えてみる。

軍事力で言うと、豊臣秀吉徳川秀忠*1が他を圧倒している。利休の弟子VS織部の弟子、利休死なせた人VS織部死なせた人。である。織田信長は1582年時点で日本制覇していないので二人には勝てない。荒木村重松永久秀滝川一益クラスでは当然及ばず。

対抗できそうなのは明治帝。鎮信流松浦家との血縁もあり茶人であった可能性は高いが、茶人としての名は残していないので残念ながら除外。

軍事力でいうと、最終的に豊臣家滅ぼした秀忠が強い。彼をナンバーワンとしたい。

ただ、軍事力視点だと権力者だから強い、という事になってしまう。
もっと直接的に戦場での武勇。それも実績で考えてみたい。

大名は概ね除外。自身太刀打ちしないのが普通。遠州は造園業者に過ぎないし石州は大坂城退去組。

武辺、のイメージ強い上田宗箇は「厳密には敵ではない津田信澄を殺害」とか「部下が塙団右衛門と闘っている時に茶杓『敵がくれ』作ってた」とか、実は微妙。

てことで実績ベースだと織田有楽斎がナンバーワンになってしまう。

なにせ関ヶ原で横山喜内の首を取ったのが公認されている。横山喜内は石田三成配下で島左近と双壁だった*2人物である。茶人でここまで大物を倒した武人はいないだろう。

ただ、戦場のどさくさで郎党つれて敗軍の将を討つ、というのが最大の実績というもちょっと寂しい。

茶人最強、という意味で茶人をどれだけ殺した茶人か、という殺伐とした観点ではどうか?殺された茶人から逆算すればいいわけだ。

やった人 やられた人 合計
松永久秀 足利義輝 1名
織田信長 松永久秀 1名
明智光秀 織田信長 1名
豊臣秀吉 明智光秀山上宗二千利休 3名
徳川家康 石田三成 1名
徳川秀忠with家康 古田織部 1名

なにしろ戦国の茶人大名は命根性汚いので、切腹や戦死が少ない少ない。
荒木村重織田有楽斎織田信雄高山右近も「殺された」という感じではない。
なお井伊直弼を殺したのは茶人ではないので除外。

この観点では秀吉がトップ。

ではもし個人対個人で闘わば?というのを考えてみよう。

細川三斎は利休高弟であり、かつ、凶暴ドメバイ&自宅ストーカー男として知られる。が、ガラシアお玉ちゃんが関係しない状況でのマンツーマンコンバットはどうだろう?

徳川家康はどうか?奥山休賀斎に学び新陰流の免許皆伝を得ている。ただ、茶人としていまいちぱっとしない。

意外なところで寧拙こと立花峯均。南方録書いた立花実山の弟で、南方録に増補を書いた人物である。実は二天流相伝を受けている。免許皆伝どころではなく、二天一流の一派の道統を継ぐ人物という事になる。

足利義輝塚原卜伝に新当流を学んだ。家伝の名刀多数を畳に刺しておき、次から次に名刀を振るって足軽を切り捨てる、というロマン溢れる死に方をした人物である。富士茄子の所有者である事でもしられる。

文武の実力、実績では立花峯均なのだが、なにぶん無名。多くの茶人が彼の文章を読んでいるのだが、名前、知らないよね?こないだまで俺もしらんかったもん。ま、武の方の実績を買って、足利義輝をナンバーワンという事にしようか。

秀忠、有楽斎、秀吉、義輝。

なんとも最強と言いづらい面子になってしまった。

*1:実質家康が権力者でも政権としては秀忠

*2:誤って蒲生郷舎として世に知られる