着物について

紋付でない長着、袴に白足袋に雪駄。羽織は暑かったので省略。ごくごくふつーの男の着物姿である。これが茶会の日の私のいでたちであった。

着物で一日生活したおかげで、いろんな事が判った。

まず着付け。練習していて、30分はかかると判っていた。判っていたが、当日は1時間以上掛かってしまった。早起きしたのに遅刻気味に会場に入る羽目になってしまった。
やっぱり本気の着付けと、練習では違うということか。しかも、あまりうまく着れておらず、現地で直してもらった。バッカみたいである。

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私は家から着物で行って着物で帰った。社中の他の男性は、現地着替えだった。確かにその方が楽だろうけど、車持ちでないと荷物の量が半端じゃないから無理だな。

袴というスカートあるいはキュロットスカートは初体験なので、なかなかとまどった。袴で階段は登りにくい。裾の前を踏んづけてしまう。なので、裾前を持ち上げてあるく必要があった。お姫様の挨拶、みたいな感じだ。

雪駄。鼻緒が痛いし下りスロープでは滑べって歩きづらかった。慣れるしかないか。私は腰痛持ちだが悪化した気がする。帯で腰を圧迫するのは腰にいい筈なんだけど、どうもノークッションの雪駄の着地衝撃が悪かったみたい。

でも着物姿は悪い事ばっかではない。右の袂にSUICAを入れとくと、自動改札がらくらくである。ま、そんだけだけど。


それなりの服を着ると、身のこなしに気を付けないといけない。今回茶室の外で下足番をやっていたのだが、庭の置き石から足が落っこちると、雪駄の側面と白足袋に泥がついてしまう、というのが判った。これはちょっと悲しい気持ちになったなぁ。
次回からは替えの白足袋も持参した方がいい様に思う。雨に備えて雪駄風ゴム底草履は持参していたのだが。

あと、暑かった。着物は重ね着だもんな。屋外の風は気持ちいいが、火を使い人いきれする茶室内では汗が吹き出した。こりゃ夏は茶会やりたくねーって切に思った。

でも季節は選ぶものの、着物は結構気持ちいいかもしんない。気合い入るしピシッっとするしね。