大樋焼

大樋焼を調べていて、「大樋焼 裁判」が関連検索にあることに気付く。
なんじゃそりゃ?って調べる。

判決文がWEBに上がっていて結構詳しい背景が判る。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/ECB6BA338CE09F0A49256D090009FE40.pdf

大樋長左衛門は楽一入の門人が加賀に下向して創始。しかし七代目大樋道忠で廃業(明治27年)。

昭和5年から九代大樋長左衛門を名乗って作陶。
七代の弟子でイトコが八代を継いだので俺が九代目って言ってるけど、八代が長左衛門を名乗っていた証拠はないっぽいし血縁もない。

昭和5年に七代の子が「勝手に九代名乗るな」と裁判したが和解。つまり金で解決した。

で、その九代。昭和61年1月に死んだ。七代の子が「九代許したからといって、世襲は許さん。十代名乗るなら大樋家の認定受けろよな」と通告。

九代の息子さんはそれをブッチ。

七代目の子孫は昭和61年11月、全然別の人に大樋長左衛門名認定をした。

九代の息子さんは昭和62年1月に鵬雲斎に十代目認定を貰う。

ややこしい話だ。

こういう経緯があって、どっちが大樋長左衛門の正統か、の裁判と、さらにそのあとで双方がもめたが故の裁判があったようだ。

  1. 大樋長左衛門襲名は十代側が勝ち。
  2. でも十代側は初代〜七代までと血縁があるような宣伝をしてはいけない。大樋家の菩提寺に墓作って既成事実っぽくするのも禁止な。
  3. 七代の子孫の推した人は大樋勘兵衛名乗ってもいいけど本家とか名乗っちゃいけない。
  4. 勘兵衛としての活動を長左衛門側は妨害しちゃいけない

要は「今、長左衛門名乗ってる人ら、ちょい怪しいけど実績あるから今後も長左衛門でいいんじゃね?でも大樋家と血縁ある様に振舞うのは禁止な。」

って事みたいだ。

大樋の本家側からすればABWHのメンバーが「なんでこのメンバーでYESって名乗れないんだよう」って思ってたのとおんなじ感じかもね(どんな感じだ)。

でも長左衛門側の公式ヒストリーでの「歴代」はかなりスレスレな気もするなー。
http://www.ohimuseum.com/
この裁判を知るまで、大樋焼は血縁で続いてきたんだと思ってた。
もちろん、昭和60年代からお茶やっている人にはこの話、知ってて当然なんだろうけど。

それよりも鵬雲斎の認定で十代継いだっつーのが解せない。認定があるとすれば、楽家とかじゃないのかなー。