茶杓が引っかかる

茶杓のご銘は?」
「ささくれでございます」

練習用の茶杓は、個性もなーんもないが、つるつるして使いやすい。

それに比べ、自分で作る茶杓は結構荒っぽい作りになってしまいがちだ。
逆樋の部分はざらざらしてるし、どこかささくれた部分が残ってたりする。

うちの流派の茶杓の清めるやりかたは、武家にはありがちな、捌いた帛紗の中に茶杓全体を通すタイプ。千家みたいに先っちょだけ拭く方式ではない。

なので茶杓のどこかががささくれていると帛紗に引っかかり、帛紗が痛む。
千家の茶杓の拭き方では気にならない事も、流派が違うと気になったりするのだ。

結構実用上で困るのだが、自作の場合はサンドペーパーをきっちり掛ければなんとかなる。

ところで、もし由緒ある茶杓を入手したとして、それがささくれてて困るような茶杓だった場合、どうすればいいんだろう?千家のやりかたで使う分には問題なくとも、武家では問題になる工作精度だった場合の話だ。

サンドペーパー掛けちゃっていいもんだろうか?…だめだろうなー。道具に合わせて流派のやり方を変えちゃうべきだろうなー。