おかねもちのおうち

多くの茶道具美術館は大正昭和の数寄者邸宅がベースになっている。要は大金持ちの豪邸って奴である。

名物拝見記、というわけでもないけど、大金持ちの豪邸についてプチブル的思い出を一つ。

子供の頃、私にとって豪邸とは「山崎山荘」であった。現在「アサヒビール大山崎山荘美術館」として運営されている、あの建物である。

車移動のお金持ちは、割と不便な小高いトコに居を構えている。静嘉堂、畠山、木下、昭和、逸翁…みんなそんな感じ。

山崎山荘も同じ。結構急坂の上にある。歩いて行くとかなり息が切れる。

美術館になる前はレストランをやっていて、いろんな形で貸し出しされており、パーティーやガーデンパーティーの場所として、地元では使われていた。

夏はプール。プールサイドにはボーイさんが待機しており、ちょいと頼むと800円のシャーベットが運ばれて来た。

地元のハイソ指向の方々にはそれなりに人気スポットであった。

でも私的には豹の皮はふんづけるもの、ハープはいたずらするもの、波のプールも流れるプールもねーつまんねープール、みたいな感じ。糞ガキにはもったいなかったし場違いだったね。

経営的に苦労したあげくアサヒビールに助けられたらしいんだけど、それ以前の豪邸を思うがままに遊べた、というのは、結構貴重な経験だったのかもとか思うのだ。

さて、なにを今回言いたいか。元数寄者の御屋敷で、山崎山荘みたいな不遇の建物&コレクションって、まだあったりすんのかもな、とか思う。
そーゆートコまだまだ発掘してったら面白そうなんだけど、どんなもんだろう?