寿堂

人形町の水天宮際。京菓子司 寿堂は黄金芋で有名な和菓子屋さんだ。

こういう「ウリ」のある御菓子屋さんは、それ専業になりがちだが、寿堂さんは上生も、お干菓子も置いている店。ただし、店頭横の「御見本」という重箱を開けないと、ラインナップは拝見できない。

…と書くと、なにやら恐ろしげだが、実は気さくでいいお店なのだ。

ただ、この店のゆがんだユーモアが若干気になる。金沢村上の異常さとは違うユーモアが。

店頭のショーウインドウには籠に入った二匹の実物大の鮎がかざってある。多分上生製だと思う。

それだけならば、まぁいい。

が、横には皿に載った、一匹の『焼いた』鮎が飾ってある。これも上生製か。この取り合わせを考えた職人さんは、かなりどうかしていると思う。


さて、それはそれとして、黄金芋は白餡入り薄皮饅頭みたいなのにニッキをまぶしてちっちゃな焼き芋の様に見せた可愛い御菓子だ。

一昨日ここで「朝顔」の上生を食べた。

…ニッキ風味。普通、朝顔の上生にニッキ味を付ける事はない筈。

考えられるのは以下の3つだ。

  1. 職人さんが黄金芋を作った手で上生を触ってニッキで汚れた(専門用語でコンタミ)
  2. 朝顔にニッキ味を付けるのがこの店のコンセプト
  3. 店のあらゆる菓子をニッキ味にしてある。

「上生の味に関して日記に書くのでレシピ教えてください」
「うちのみせのしなもんになんぞ不都合でもありましたか?」

そんな会話も敷居が高いので、昨日は別の上生を買って帰りました。