和菓子

菓子そして中立

室町時代。このころのお茶は、お菓子にコノワタ等を使っていてびっくりする。しかし、それ以上にびっくりするのはお菓子が複数出ること。松屋久政会記 弘治三年十二月にこうある。 十九日 一 慈尊院 (中略) 菓子 クリ・カキ・イリモチ・ミカン・コフ (後略) …

ひちきり

ひちきり。それは雛祭りのお菓子。女性器をかたどったお菓子(しつこい)。 雛祭りの当日、デパート何件かまわって探してみた。 ない、ない、ない。 つーか、雛祭り対応のお菓子を置いている店自体そう多くは無い。 実際のところ、大手の和菓子屋さんはたいて…

火伝 千幸兵衛

コンビニで謎のお菓子「火伝 千幸兵衛」を購入。亀田製菓と書いてあるが亀田製菓のページには紹介が存在せず。裏にこんな事が書いてある。 茶人「千利休」の弟子 「幸兵衛(こうべい)」 彼の焼いた茶菓子が秀逸で 褒美に与えられた名が 「千幸兵衛(せんのこう…

寒天の透明度

錦玉羹の透明度。これが私の夏の和菓子作りの弱点。去年、錦玉羹物を作っていて、下半分の方、つまり後から注いだ=長時間煮た方が透明度が高かった事があった。http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20080607また、錦玉羹の作り方、でぐぐると、煮詰めろ、だ…

ひちきり

雛祭りのお菓子と言えばひちきり、ですね。http://www.kanshundo.co.jp/museum/saijiki_yogo/hina01.htm…デパートの和菓子屋のどこにも売っていませんでした。まーしかたないね。かたつむりみたいでキモイし。つーか、私が京都に居た頃に見た事あったかなー…

松風

私にとって松風は大徳寺脇の松屋藤兵衛にトドメを刺す。あのしっとりもっちりした食感。複雑な味わい。うまい。うますぎる。…京銘菓だけど。それはさておき、全国の和菓子屋を巡っていると、松風、という菓子銘で、割といろんなタイプのお菓子がある事に気づ…

はさみ菊

1年以上、和菓子屋をうろうろしているが、店頭商品で「はさみ菊」にお目に掛かった事がない。ある意味和菓子の代名詞なのに、どこでも見ないってことは、注文生産なんだろうなぁ。異常に手間の掛かる細工だけに、当然な気もするが。そういえば昔読んだ和菓子…

京都館

東京駅八重洲口前を渡った角、八重洲ブックセンターの真上に京都館がある。なんとか館、つーのは大抵、特産品と酒と観光パンフレット少々があるだけの場所だ。少なくとも銀座の鹿児島館とか青森館はそんな感じ。新宿のみやざき館はイートインがあるのがちと…

盆休み

先週の盆休み期間もせっせと会社に行ってお仕事だった。昼休みの和菓子屋巡りは「行って盆休み取ってたらやだな」という意識が働き、休みの無い、フォローの効くデパートの和菓子屋を回っていた。だってさ、この炎天下に水天宮まで行って、どっこも店が開い…

なさげの餡

白餡のさらし餡が、どこに行っても無い。 ハンズにもない。合羽橋の本間屋にもない。練り餡なら買えなくもないが、粘性を調整できない。量も多すぎる。 自分で豆を煮るのは大変すぎる、というか和菓子二個分の豆を煮るってのはなー。小豆餡のさらし餡は手に…

寿堂…続編

三井の後、水天宮へ。せともの祭の準備で忙しそうな町を抜け、寿堂を再訪。「鮎」「焼き鮎」に関し、前回記事を訂正せねばならない事を知った。「鮎」と「焼き鮎」、ふつーに商品として売っているものでした。それはそれでどうかと思うが。

あずき茶

某和菓子店で缶入あずき茶を発見。これなんですか?と聞いたところ、「あずきのゆで汁です」産業廃棄物ですね、判ります。…直球回答、ありがとうございました。調べると、あずき茶はポリフェノール関係グッズらしい。Webで調べてもそれが流行っているんだか…

寿堂

人形町の水天宮際。京菓子司 寿堂は黄金芋で有名な和菓子屋さんだ。こういう「ウリ」のある御菓子屋さんは、それ専業になりがちだが、寿堂さんは上生も、お干菓子も置いている店。ただし、店頭横の「御見本」という重箱を開けないと、ラインナップは拝見でき…

上生いろいろ2008

1年前に上生いろいろ、という名前でおいしい和菓子屋、そうでない和菓子屋の話をした。 1年経ったので、見聞も広まったとこで再確認。今度は5段階評価で いくらなんでもこりゃないんじゃない? がんばりましょう ふつー お、なかなか すっごくイイ で評価し…

和菓子と季節感と銀座の上生

和菓子には季節感があふれている。…実はそんな事はない。団子や大福、饅頭や鯛焼きに季節感を感じるのは難しい。和菓子で季節感があふれているのは上生などごく一部にすぎない。この2つは感性として全く別物として考えるべきだろう。さて、銀座に上生を売っ…

七夕

七月和菓子。笹を封じた水羊羹。三角形なのはアルタイルとヴェガにちなんだから。 …って感じで作ったんだけど、なんかビミョー。

紫陽花の葉

紫陽花の葉を食べると食中毒になる、として厚生労働省が注意を呼びかけている。 http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/kanshi/080701-1.html紫陽花に毒性があるっつーのは知らなかった。ほら、「毒のある花は禁花」みたいにゆーじゃない?紫陽花は…

水無月

水無月という菓子がある。ういろう生地に小豆が乗って三角。もちもちっとしてやや食べにくいお菓子である。京都では6月30日の夏越祓には宮中では氷室の氷を食べ、庶民は氷に見立てた水無月を食べる…という風習があった、らしい。本来は旧暦の6月末の筈だと思…

鮎、という菓子がある。ホットケーキっぽい皮で求肥を包み、焼き目でエラと目を描いて鮎っぽくしたこの季節の菓子。何年か前「どの店の鮎がうまいか」超食べ較べをやった事が有る。近所のデパ地下の和菓子屋全ての鮎を買った。6か7本かの鮎が並んだと思う。…

あじさい

6月和菓子。なんだか自分でもあじさいを作ってみたくなった。錦玉羹を型に半分入れ固める。固まった錦玉羹をスプーンで半球状にくり抜く。できたくぼみに青や紫の錦玉羹を刻んだものを盛り、緑の錦玉羹で作った葉を載せ、錦玉羹を流してとじたもの。上半分の…

和菓子のデザイン

上生菓子のデザインに関しては、以下の二軸で分類できる気がしている。まず、作る対象が具象か抽象か。つまり、作ろうとするものが具体的なナニカなのか、もっと抽象的な現象とかを表現しようとしたのか。次に表現として様式化されているか、されていないか…

並ぶ

昼休みは和菓子タイム。お菓子を買うのは数分の話…な筈なんだけど、たまにはそうでない時もある。和菓子屋の店頭で結構待ちを食らう事があるのだ。和菓子屋さんは、大店でもレジ一個なのが普通。店員も数名。2名のとこが多いかな。だからレジ打ち待ちっての…

はしっこの話

昨日は竿物の話だったので、以下のフォークロアを検証したい。「羊羹ははしっこがうまい」蒸し羊羹は餡に小麦粉他を加え、蒸して固めたものだ。素材と製法でいうと上生に使う「こなし地」の小麦粉比率をあげたものといってもいい。 練り羊羹は餡を寒天などの…

竿もの

さくら通りの桜吹雪の中、日本橋高島屋へ向かう。アスファルトは花びらで真っ白。わざと掃除をせずに「ごちそう」にしているんじゃないかと思う。 そのさくら通り、せっかくの桜並木が昭和通りで分断されている。渡るには歩道橋を上がるか、八重洲通りまで戻…

小倉山荘

今日はあんま茶道関係ない話かも。私の故郷の迷菓というと「アルモンドのたけのこパイ」だと、多くのジモティは口を揃えるだろう。ブランデーで煮たタケノコがパイ生地に包まれた謎の洋菓子。地元名産がタケノコだからといって、大変安直に作っちゃったシロ…

桜餅

この時期に和菓子屋に入ると、ふらふらと桜餅を買いそうになる。あの香りがいかんのだな〜。条件反射で春めいた気分にさせられる。 和菓子は案外香りに無頓着なものだが、桜餅は別格だ。ところでこの桜餅、関西は道明寺。関東は小麦粉である。関西は小麦粉文…

ぜんまい

3月和菓子。少し春らしく。淡々斎好み風?2枚の練り切りをぐるぐる巻いて糸で切断面を出したもの。こういう場合、「こごみ」とか「わらび」とかなら可愛い名前と思えるのだが、「ぜんまい」はいまいちだな。「春の渦」とかにしとくほうが良かったか。

貝合わせ

3月和菓子。雛まつりネタで。貝の内側の蒔絵見立ての模様は、赤黄緑のきんとんと金箔をクッキングシートに挟み、麺棒でのし、切り取って貼付け。

冬牡丹…もどき

2月和菓子。深川伊勢屋の真似である。が、あんまり再現できていない。かなり難しかった。花弁だけ白ぼかしにする、というのはなんとかなった。でも花弁がもったり分厚くなったし、繊細な筋目は付けられなかった。練り切りをもう少し硬くしないといけない気が…

初雪

1月和菓子。緑と茶の練り切りを小田巻きで押し出し草地を表現。その上に薄く寒梅粉を蒔いたもの。