篤姫
ごくたまにしか見ないのだが、たまたま流していたら、いきなり茶室のシーンになった。
「おお、炉の切る位置が、道具の位置が、亭主の座る位置が正しい!」
TVドラマでお茶のシーンが出て、まともだったことなんかなかったので、それだけで感動してしまった。
四畳半の茶室というのも新鮮だ。壁が窓が「ふつーの和室」すぎてつまらんかったが、大道具さんもそこまでは手が回らなかったか。
と、カットが変わると亭主は梅雀さん。なるほど、井伊直弼なら、ちゃんとお点前しないといけないわなと納得。
何故か天目台に井戸茶碗が乗って出て来た。ここで多分、貴人点なんだろうと思った。
篤姫が客畳に座っているのに貴人点なのは、篤姫は「対等の人として」貴人扱いを拒否したが、直弼は「女は奥向きへすっこんでろ」と貴人として扱い続けた、という事を表現しているのだろうと思った。つまり二人のバトルである。しかし「くやしい、おいしい」で突っ張り合いは終了。双方歩みよって一座建立となった。
こーゆーふうな演出だと見たのだが、ひいき目すぎだろうか?
茶碗を廻している直弼とか、ごくふつーにお茶をやっていて良かった。どこが指導に入ったんだろう?石州流系の道場だといいな。
一番すばらしいかったのは、篤姫との茶会が終った後、直弼が夕暮れの茶室で「独座観念」しているショットが入っていた事だ。ちゃんと"茶湯一会集"に沿った直弼像というのは、かなり凄いと思う。
梅雀さんも凄みと緊張感と絶望感と覚悟が滲んでいて、実に素晴らしかった。
趣味悠々の若いアナのダメダメさを思うと、やっぱ俳優は凄いなと思う。