自作 青海波千鳥小棗

「じぶんなり小棗」を作ったために最初に作った「野点籠用小棗」を使わなくなってしまった。

もったいないので細工の練習に使ってみた。

螺鈿で千鳥。彫金で青海波。

厚めの白貝貼って、その高さまで下地を盛り上げてしまったので、

貝と下地の上に上塗りする→貝のとこまで研ぐ→同時に下地も出る

という悪循環に苦しむ事に。結局は下地を彫刻刀で削って、上塗りした高さが貝の面になる様大手術をするはめになった。

貝は光る方向が決まっているので、見る方向を決めて切り出さないといけないのだが、うっかりして小さい方の千鳥の上の足の切り出し方向を間違えてしまった。おかげでこの足だけ反射がおかしい。

更に下地の弱さのせいで、彫金すると表層が砕ける、という問題にも遭遇。

イメージの中では漆の表面は、鋭いアートナイフを使えばクリッと彫れる筈だった。だが実際はメリメリと表層を剥ぐ感じになってしまう。器胎が木であればそうだったのかもしれないが、乾漆は中が硬い木ではなく、錆地の層なので、砕けやすいのだ。彫金を綺麗にするのはあきらめた。意外と難しいぜ、彫金。

まぁいろいろノウハウはたまったので、次は頑張ることとしようか。