独座観念

井伊直弼のつくり出した茶の湯哲学に「独座観念」がある。

山上宗二に初出を求める事が出来る一期一会よりも、宗観先生のオリジナリティーが高い概念だ。

茶会が終った後も、亭主一人、茶室で今日の茶会とお客様のことを思い返す。

…今日は水ぽたぽた垂らしちゃったな…
茶杓忘れて取りに戻るってどういうミスよ?…
…しかしまさかあそこで釜が煮えないとは…
…柄杓を風炉の向こうに落しちゃったのは恰好悪かったな…
…しかも「なっ!ちょっ!まっ!」って声上げちゃったのがサイアク…
…拾いに行く時に湯気浴びて顔を火傷しちまったし…
茶筅を畳に転がしたのも不様だった。アクションペインティングかよ…
…茶巾は蓋から転がり落ち続けるし…
…建水に茶碗ぶつけちゃうし…
…蓋置が蓋にくっついて持ち上がるのってどういう事態よ…
…そういえば仕舞いの時に建水を引き忘れたな…
…しかも足痺れて立てなかった…
…建水回りし忘れるし…
茶杓の銘とお菓子の銘、逆に言っちゃったよ…
…軸もなんだか波うってたし…
…花も席入の段階でしおれはじめてた…
…皆「掃除行き届いてないぞ」って顔だったな…
…拝見の頃にやっと釜がガンガン煮えはじめるなんて…
…炭もはぜちゃうし…
…正客さん一酸化炭素中毒でピンク色になりかかってた…
…orz

レベルの高い人でないと、たんなる反省会にしかならない様な気がする。