侘び道具

私の作る道具を見て頂くと大体判ると思うのだが、私の趣味はカワイイ系であって、あまり侘びていない。

私が「侘び数寄を目指している」とうそぶいているのも、山上宗二の分類で侘び数寄にしかなれないという諧謔にすぎないので、趣味として侘びている必要は特にはないのだけど。


とはいえ、侘びた道具が欲しいな、とか思っていたりはする。だが侘びた道具は華やかな道具より、ずっと入手が大変だ。

昔の様に安い雑器を転用するにも、雑器イコール大量生産規格品の現代では、見付けられる面白さに限界と言うものがある。

だからといって侘びていて良いものを買うのはお金がかかる。


侘び道具と華美な道具の値段の関係は、服のそれと似ている。ギャル服は数千円で買えるが、素材とカットの素敵な地味めの服は、二桁程上の金額を出さないと買えない。

なにかしらてっとり早く人目を引く様に作るのと、地味なのに素敵に作るのは、労力もコストも、全然違うのだ。


…あ、今気付いたけど、もしかして服の「きれい目カジュアル」と、「綺麗さび」って似た概念?


やっぱ真に金持ちでないと侘びを求められない時代なのかもしれない。