お茶のたて方

松平宗圓 著。

まー、いわゆる、茶道入門書、である。昔の。

でありますから昔の人も「茶道は楷書である。茶の湯は草書または假名書きである。」と申しました。
これを學ぶ人が初めから假名書きばかり稽古しても出來ない事はありませんが、遂には茶法道にはいらないと、即ち楷書がわからないと其の字を如何に崩していヽかわからず、又、崩れて讀めないものが出來てしまふと同じ様な事になります。

これは、いままで読んだ中で一番説得力のある、式正方面を習う理由ですな。

昔は客の数によつて名がありました。
即ち、一客を神と云ひ、二客を勝と云ひ、三四の客を趣と云ひ、五六の客を泛と云ひ、七八の客を施と云ひます。

茶事は人数で名前が変わる、という事なんでしょうが、ぜんぜん意味が判りません。いずれここでゲットとした無駄知識を活かす日が来ると信じませう。

ところで、大正15年初版/昭和四年5刷、を入手したんだけど巻末広告が嫁入叢書、我が子の躾け方叢書、嫁入り文庫、なのは、既に茶が女性のものになっていた、という事を意味していたんではないか?とか思って気になっております。