千利休追跡

村井康彦著。

タイトルはこうだけど、内容的には利休対象に限らないいくつかの研究の集成である。

  1. 千利休はなぜ死んだか?
  2. 楽家の系譜の謎
  3. 高麗カコイとは?
  4. 利休七哲と台子七人衆の謎
  5. 織部は下手だったのか?

など。

割と信用できる資料を中心に論証するタイプで好感度高い。
どれもそこそこ面白かった。

利休は長次郎を通じ自分の美意識を茶碗に表現したが、世間ではひずみ茶碗/ゆがみ茶碗の流行がはじまっていた、という指摘は非常に面白い。

長次郎の茶碗って当時大流行したんだろう。とか思っていたけど、考えてみると社会にインパクト与える程は量産できないよな。
単に私が長次郎茶碗の異様な迫力に負けて、そう思い込んでいただけかもしれん。

千利休追跡 (角川選書)

千利休追跡 (角川選書)