黄伊羅保茶碗の約束

黄伊羅保茶碗には、ろくろ目、べべら、口縁のへら削り、竹節高台。いろんな約束事がある。この約束事、が見所でもあるわけだ。

私はハタの反り方と竹節高台のバランスが見所だな、と思っている。


さて、ここ2年ばかりいろんな美術館へ行ったことを思い返す。

黄伊羅保茶碗もそれなりの数を見て来たが、すべての約束を満たした茶碗はなかった様に記憶している。特に竹節高台をクリアできていないものが多い。


美術館にあるものは、この世の名品の筈。

その名品たちが約束事を守れていない、というのは、どういう事だろう?もしかして、そんな約束事を守れている名品はひとつもない、ということなのか?んじゃぁ、なんでそんな約束ができてしまったのだろう?

私にとって結構謎なのだった。


でも竹節高台がないと、どーにも気品が不足する様に思えるのだ。つーか、田舎の丼鉢みたいである。

井戸茶碗なんかを既に持っている数寄者達は、黄伊羅保茶碗には気品を求めず、必要以上に田舎臭い茶碗を求めたのかもしれない。邪推?