学生の茶道

千宗室監修/淡交新社/1967年。

生茶道向けの茶の湯入門書。薄いのに大変に良くできている。

まず章立て。

  1. はじめに
  2. 基礎となる知識
    1. 茶道の歴史
    2. 茶庭と茶室
    3. 茶道具の常識
    4. 茶花(付花入)
  3. 点前解説
    1. 割稽古
    2. 客の心得
    3. 略盆点前
    4. 風炉薄茶点前
    5. 濃茶点前
  4. 付録:参考のために
    1. 利休百首
    2. 裏千家歴代の好物
    3. 歴代家元家押
    4. 茶道の参考書


まず凄いのは「基礎となる知識」セクションが全体の半分の分量なこと。

いやしくも学生と名乗るなら、知識編を厭わないだろう、という観測が素敵だ。


次に凄いのは割稽古。茶入の扱いや四方捌きまでずらっと列挙。


そして点前の順序。客やって略盆やって風炉で薄茶やってたら秋頃には濃茶ができますよ、と言わんばかり。


大変判りやすいし、"裏千家茶の湯"、鈴木宗保よりずうっとシンプルで明解な構成だ。
これ入門書として最適なんじゃなかろうか。


学校茶道から普及を図る裏千家の底力!みたいなのを感じたぜ。

学生の茶道 (1967年)

学生の茶道 (1967年)