茶室−もてなしの空間−

佐藤京子/相模書房/1995年。

「まえがき」を読んでいて、嫌な予感がした。

茶室を造形空間としてとらえてみれば、そこに展開される空間構成の巧みな技の冴えをつよく感ずるとともに、驚嘆することばかりである。

文章としてもどうか、という部分あるが、当り前の事にびっくりしている著者、というのは結構危険なシグナルなのだ。


次の章に至って、シグナルは黄色から赤へ。

章題は「序にかえて」。

…おい。今まで読んで来た「まえがき」は、いったいなんだったのよ?


著者はいろんな大学の先生を歴任した人、らしいのだが…これで学生に論文の書き方指導してたんだろうか?

「炉−もてなしのコア(核)−」とか「窓−光と影のプロジェクション−」とか、いちいち癇に障る章題を乗り越えながら読む内容は、割と誰でも知ってそうな知識の羅列。

君自身の考察はドコにあるのかね?とか、指導教官なら突っ込み入れると思う。

まぁ、あまり吟味せず本を買った自分が悪かったのだろう。反省。

茶室―もてなしの空間

茶室―もてなしの空間