目黒美術館 紅心 小堀宗慶展

区立美術館なのに1000円の入場料だったせいか、UYTREWQ。
なんだかのんびり見れました。

さて、実は展示のほとんどはご先代の作品および好み物。名物は展示室一個分だけ。でもこれがすごいんだ。なので、まずはご先代の作品を見ましょう。逆順に見るのはあんまりにも可哀想です。


御先代。字書かせても絵描かせても上手なんだけど、なんか小器用に過ぎる気もする。なんだろうなぁ気分が足りないというか。
下手でも気分がある方が茶としていいんじゃなかろうか?というか。
いや、気分があれば下手な方がずっと茶としていいという気さえするなぁ。


あと、ほとんど「個人蔵」だったんだけど、がんがん作品を作る家元っていうのも傍迷惑な気がする。

好み物の「ラスター彩花鳥文六方器」「紅葉狩之図壷」「金彩藤花文花瓶」の並んでいる所に立つ。
目の前を「いわゆる」遠州好みが塞いでいて、くらくらする。


さて。本題の名物たち。以下が全リスト、である。

一山一寧一行書 「一箭中紅心」
胡銅 大曾呂利 花生
古銅 桃底花入 伝利休所持
大名物 唐物肩衝茶入 初花 〜6/20
大名物 唐物肩衝茶入 遅桜
中興名物 瀬戸茶入
中興名物 丹波茶入 生野
青磁茶碗 馬蝗絆(国立の方)
大井戸茶碗 喜左衛門井戸
青井戸茶碗 柴田井戸
小井戸茶碗 六地蔵 6/22〜
蕎麦茶碗 花曇
ととや茶碗 かすみ
彫三島茶碗 外花
鼠志野茶碗 山の端
丹波茶碗 雪間草


まずは大曾呂利花生。
花が引き立たないのでは?と思える程の端正な形。
水だけ入れて出したくなるわ。


茶入四つ。
大名物と中興名物の格の違いがもっのすごく思い知れる。
あと、初花と遅桜の格の差も。


山の端。
これだけの志野茶碗が脇役扱いとは!


馬蝗絆。美しい茶碗。
横からじっくり見て、高台を見て、あれ?これ天目じゃなくて茶碗やん。台いらなさそうじゃん、って事に気付く。
おかしいなー。はじめて見た時は気付かなかったのに。


柴田井戸。
俺、この茶碗の色あい、なんだか萩焼みたいな景色。全然好きになれない。
でも、この形は素晴らしい。


そして喜左衛門井戸。
形もよく、梅華皮も、見込みも、貫入も、サイコーです!
「あれ?おかしいな、目跡がナイ」とか思っていたら、横の人が「あれ?目跡が無くなっている」とかつぶやいていた。みんなおんなじ事を思う様で。
調べようと喜左衛門井戸の見込みの写真探したが手元では見つからず。喜左衛門井戸に目跡くっきり、というのはどこから来た先入観なのだろう?自分でも判らん。


遅桜、飛鳥川、生野、馬蝗絆、柴田井戸に関しては大正名器鑑実見記も読んどくといいかもね。


んで、一階に降りると月刊誌「遠州」が「自由にお持ち下さい」になっていた。うむ、元取った気持ち。

ついでに立礼の呈茶席があったのだが、立礼卓も飾りも、なんだかキンキラなものだった。ま、侘びた立礼なんてないといやないんだけど、やっぱ私には耐えられず、呈茶には背を向け帰ったのだった。