三渓 原富太郎

白崎秀雄/新潮社/1988年。

「鈍翁 益田孝」を読んだら、とっても読みたくなった。だから読んだ。


横浜。

京都に住んでた頃の私は、横浜と横須賀の区別もつかなかった。
この二つがセットで記憶されるのは宇崎竜童のせいだろう。

んで、私の中の横浜には、いまだに藤竜也がスカジャン着て歩き回っている。
多分、今も区別がついてないのだろうな。


かくも外からは微妙な印象の横浜なのだが、横浜にはなにか住民にだけわかる独特の魅力があるらしい、と神奈川県民の妻はいう。


その横浜を愛し、護ったのが三渓である。


鈍翁が日本史上無二のタイクーン、リアル「鎌倉の老人」の物語、であるとすれば、三渓は 横浜を愛した無私のローカルヒーローの物語。恐慌や大震災に負けず、自社を省みず社会に奉仕した超人の物語、である。



特に、関東大震災からの復興に大きく寄与した。


関東大震災、というのは、関西人の私としては、なんか浅草を中心に東京に被害をもたらした、みたいなイメージがあるのだが、実際には関東大震災は横浜へも大打撃を与えていた。

考えてみれば空母改装中の戦艦天城(4万トンくらいか)が横須賀工廠のドック内で台座から転落破損する、という事件があったのだから、ミリオタ的には気付いているべきだったよなー。


そんな関東大震災から横浜を復興させた。それゆえ三渓は茶道具が買えなくなった。


もうね、男の中の男ですよ。


しかし、読んじゃうと今度は三渓園へ行きたくなったな〜。


三渓 原富太郎

三渓 原富太郎

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