置土産浮世之茶話 その4 釜の蓋と柄杓

“四疊半略薄茶點前の事”より。

昔、釜の蓋を取るとき、帛紗をどう扱うか、というのを整理した。

http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20071112

茶碗をすこし前へよせて柄杓をとり。帛を右に持たせ。柄杓を左にもちかへ。
(柄杓を取るとき節の所を抓み左の帛を右の親指の上に載せ親指にて返へし。
帛を右に持ちかへ。


こういう事かな?

  1. 左手に茶杓を拭いた帛紗がある状態。右手は空いてる。風炉でなく炉。
  2. 右手で炉の脇、欠き畳の柄杓を取る。
  3. 左手の帛紗を柄杓を持った右手の親指に載せ、左手と右手親指を使い、折り返しor裏返してから右手で帛紗を掴む。
  4. 右手の柄杓を左手に持つ。
  5. 右手の帛紗で釜の蓋を清め、つかんで蓋置に

かなりざっくりした方法で左右の持ち物を持ち替えるみたい。

左に柄杓を持ちながら。右にて帛を腰にはさみ。茶巾を釜の蓋の上におき。
初めのごとく柄杓の柄先をつまみ。湯を汲むやうに持ち。左の手は膝におきて。
(柄杓を釜に持ち行くとき。茶碗と膝との間を持ち行くなり)

最後の部分は柄杓を釜に移動させる時、袖が茶碗をひっくりかえさないという配慮なのだと思う。洋服来てお稽古してると忘れがちな配慮だよね。

けっこう大事な事をさらっと言っている気がするが、これが書かれた時代は日常的に着物を着る時代だったので、この記述で十分読者には意図が通じたんだろうなぁ。