置土産浮世之茶話 その7 道具屋茶人

“客の略心得方の事”

席中にて相客互ひに。器物の品評など必ず論ずる事勿かれ(是れ嘉永以來の弊風なり)。所謂此れを道具屋茶人と云ふ。謹むべきの第一なり。

客が、亭主の道具を品評し謗る、というのは昔からあったんだな、と思う。

嘉永年間といえばペリーが来た頃であるが、大森宗龍氏の二十代の頃でもある。本当は嘉永以来の弊風、ではなく、それ以前からの弊風だったんじゃなかろうか。若くて判んなかっただけで。

嘉永の次は安政
道具屋茶人、とかに厳しそうだった井伊直弼が殺された頃になる。

案外この辺の印象でそういっているのかも知んない。