茶道用語集

井口海仙/淡交新社/1962年。

私は井口海仙、という人が何だか好きだ。
なので、井口海仙の魅力をみんなに伝えたい。


茶道用語集は、その井口海仙の編纂した茶道用語辞典である。

会所 かいしょ

茶道が完成されない足利時代初期では、闘茶や連歌を催す場所を会所と称した。
(中略)
主として髪結床や理髪店が会所にあてられ、
(中略)
わたしなどの子供のころには散髪に行くことを理髪店に行くとはいわず、会所へ行くといっていた。

個人的な思い出を書くなよ。

沓茶碗 くつぢゃわん

茶碗の形の名称。いくぶん無理な比喩で塗り沓に似ているからというのでこの名称がある。
(後略)

言いにくい事をよく言った。


どうだろう?

用語事典なのにときおり思い出やら個人的な感想やらが入っているのだ。

ほほえましくはないかい?


こう見えて井口海仙、13年後に「原色茶道大辞典」を編纂する人である。

でもこういう「おもろたのし」が彼の真骨頂なんだと思う。