てとりなべ おのれはくちが さしでたぞ


てとりなべ おのれはくちが さしでたぞ ぞうすいたくとひとにかたるな


いろいろな本で、一路庵禅海だったり、粟田口善法だったり、あるいはうっかりすると丿貫だったり、いろんな人が詠んだ事になってる句。


最初の部分が“手取りめよ”だったり“手取り釜”だったりするが、あとは同じ。


でもこの句、いろんな茶書に記載されているが、そんな面白い句か?


「てとりなべ おのれはくちが さしでたぞ」の部分は、手取り鍋は鉄瓶みたいに口が差し出ているので、差し出口きくな、と掛けことばになっているのだと思う。


でも、「ぞうすいたくとひとにかたるな」の部分が「雑炊炊くと人に語るな」の意味しかもっていなくて、全然ひねりがない気がする。


雑炊を増水、語るなは騙るな…そういう解釈でなにか掛けられてないか考えても意味が通らないし。

この句のウマさってのがイマイチ判らないや。