茶人言行録8 お茶の弊害
小早川隆景について。
(前略)
平素好茶事、
(中略)
遂斷不復爲、
(後略)
原典は野史。
お茶好きだった小早川隆景が、茶の弊害に愛想をつかせて茶を辞めた、という話。
どういう弊害か。
之は單に隆景の生存時代にのみ生じたる不祥事ではなく、三百年の後の今日に至つても根絶出來ないのみならず、否、寧ろ今日の方がその弊害が愈々益々増長し遂に全く其の停止する所を知らないと云ふ状態である。
現代でもそうだよ、というその弊害は
- 贅沢な茶室
- 自分でお点前をしない
- 道具を安く買い高く売る
- 技芸の巧拙のみを論じる
などだという。
著者はそれを茶道の外道、と呼んでいる。
叉た招待を受けた者にも不作法千萬な人があつて、満座の茶室に割込んだり、他人の道具拜見中に入らぬ差出口をしたり、碌々茶道の心得もなく且歴史美術などに何等の豫備智識のないにも拘らず、傲然と上座に構へて我者顔に振舞つて居られるのは洵に心憎いものであつて、是等が現代茶會の趨勢であることは實に痛歎の至りで、之れは何とか改善の道を講じて欲しいものだと思ふて居る。
にしても、著者は小早川隆景の事にかこつけて、自分の言いたい事を言っているだけなんじゃねーの?と思うのだが、どうか?