お茶人の友 お茶事の手本 風炉編

世界文化社/1981年。


ハンドブック形式で、風炉のお茶事の実例をいろいろ載せてくれている本。

しかも実例に使われているのが田中仙翁、千宗屋、小堀宗慶、川上閑雪、松尾宗倫、という錚々たる面々。

千宗屋だけは亭主を佐伯良一という人を亭主に出していたが、他の人は家元本人が亭主としてお茶事写真のモデルを勤めていた。豪華だ。


どういう茶事にはどんな料理を、どんな道具立てで出すか、みたいな事の参考になっていいかも。


ただ、(謎の)梅沢記念館の梅沢信二さんの序文はいただけない。

私が酒飲みであるからよけいそうなのかもしれないが、お客が酒をたくさん飲んでくれたほうが楽しい。したがって、客は女性より男性のほうが楽しくてよい。女性のお客は茶席に入ると固くなりすぎて、飲める人でも盃には二度ほどしか手を触れようとはしない。そして茶席中を眺め回し、亭主の立振る舞いを、あらを探すような目つきで見られる。これがたまらなくいやだ。私は女性を蔑視するわけではないが、茶事に関するかぎり男性のほうがよいようだ。
もう一つ茶事で私が女性を嫌う理由は、女性は非常に「お点前」には熱心であるが、道具についてはあまり勉強しないからである。

序文書いてくれ、とお願いしたらこんな事書かれて世界文化社も頭を抱えたのではないか?


23区だと駒込と高島平の図書館。