永青文庫 永青文庫の茶入

正直に告白する。


永青文庫は茶道具美術館としてはしょぼい/つまらない場所と言う認識だった。


だが、私の認識はくつがえった。

今回は実に素晴らしい展示だった。お勧めである。


茶入34点ずらりとならべてあるのも凄い。

が、付属品の展示も素晴らしい。

仕覆は当然として、挽家、挽家袋、内箱の蓋。外箱の展示まで有る。


展示品のうち、唐物茶入5点はちゃんと盆に載っている。

盆の説明がないのが残念だったけど。


唐物尻膨 銘 利休尻ふくら。
黒く、もやもやと黒い。仕覆もしぶい。やすっちい朱塗の盆が好対照。外箱でかい。


瀬戸肩衝 銘 出雲肩衝
これが名物狩りで出て来たって事は、こういうものが雑器で流通してたのかと思うと感慨深い。


瀬戸大海 銘 白鼠。
低く、口の捻り返し鋭く、胴の筋が印象的。超カッコイイ!でも仕覆ハデすぎ。


瀬戸肩衝 銘 塞。
形、風格、すばらしい。
なたれの作意がわざとらしすぎるのが残念。


瀬戸肩衝 銘 小森。
なたれも明確な景色もなんにもないのだが、むらむらとした感じが実に良く、見所充分。



総括する。

いろいろ良いものを見せて頂いた。
展示に対する配慮もすばらしかった。

あと、良いものは本当によかったけど、下の方では、今の茶道具でも10万で買えそうなものもあるね、と思った。来歴不明も多いし。


大名家のコレクションと言うのは、やっぱいいものよりすぐった実業家のコレクションに対し数段落ちるなぁ、ってのも含めて、勉強させて頂きました。