茶の湯志ほり その5 伝授

この茶の湯志ほりという本は、無記名の編者によって編まれた本、それも一般書としての叢書の一冊なのだが、どう読んでも一人の作者によって書かれた一冊の茶書、という印象である。

んで、割と汎流派的に書かれているのだが:

茶の湯の傳授は何れも斯道熟達の上ならでは受くる事能はず、而して之れを受け學ぶには、何流にもかぎらず、其師は其家元より免許状を得て、然る後其弟子へ傳授なすものなり、傳授の箇條名目を擧ぐるば左の如し、

一茶通箱 一唐物点 一台天目 一盆点 一乱飾

この許状の項目を見る限り、著者は表千家なんではないだろうか?

ま、お茶と言えば表、だった時代だろうから、別に不思議はないのだけれど。

なんらかの事情…というか、自流派への遠慮で匿名作品なんだろうなぁ。