梅澤記念館の謎
梅澤記念館。
いろんな茶道美術館の展示目録で目にする、茶道具の所蔵者である。が、梅澤記念館がどこにある、どんな美術館なのかとんと判らなかった。
ネットで調べても、誰も「行ったよ」という人が見付からない。
「全国美術館ガイド」を調べても載っていない。
そんな謎な美術館?である。
是信庵 梅沢信二が梅澤記念館の館長である。
日本医事新報社の偉い人である。
梅澤記念館の住所は
という事で、日本醫事新報社ビル内、という事になっている。
だが、日本医事新報社のサイトに梅澤記念館に関する記述はない。
茶道事典(1979年)によると
梅沢彦太郎収集の東洋古美術品を展観した美術館。
東京都駿河台の日本医事新報社ビル四階に昭和四十三年開館。
大灯国師墨蹟・浦上玉堂『煙霞帖』をはじめ、古陶磁が数多く展示されている。
1979年頃は4Fで展示されていた模様。一般展示かは判んないけど。
梅沢彦太郎は日本医事新報社の創立者。信二氏は息子だろうか。
で、その梅沢信二氏は日本陶磁協会の理事であった。
http://www.j-ceramic.jp/about/history.html
■1976年(昭和51年)
5月、日本陶磁協会創立30周年記念大会として、梅澤記念館にて「記念名品展」、霞会館にて記念講演会が行われる。
てことは梅澤記念館は展示が行われた事がない、というわけではないらしい。
burieさんに教えていただいた、川瀬忍さんの記事によると
http://www.shinobu-kawase.com/soliliquy/1997.html
親しくさせて頂くうちに、こちらからコレクションの拝見をお願いしたことも何度あった。神田駿河台にある梅沢記念館にお伺いして、蔵から出して頂き、暫くお話をしながら拝見していると、「ゆっくり見たいんだろう」と座を外してくださるお心遣いを頂くこともあった。
一般に公開された美術館だったのか、そうでなかったのか良く判らん。
おそらく、節税ないし相続税対策として梅沢信二氏が生前に立ち上げ、気が向いたら人に見せていた、程度の実質ダミー美術館なんだろうな。
んで、現在の活動はコレクションの貸出し、程度。
んで、日本医事新報社側では「金持ちの偉い人が会社を私物化」みたいなろくでもないイメージしかないので、語りたくないんじゃないかな、と思った。