おもたせ


私が参加したお茶事の亭主は先生。

お茶事に当たって御礼金を持参した。

先生だから当然かな、そんな考えだった。


でも、お茶事の後で会話していて、どうもそうでない事が判った。


流儀の問題かどうか不明だが、お茶事の客はおもたせとしてお礼金を持参するのが普通…なのだそうだ。

…なんてこった。


調べてみた。

佐々木三味の「お茶事」にこうある。

贈り物 茶事とか茶会に招かれると当日手土産を持参する。これも原則としては、茶事とか茶会に招かれたならば、かならずその亭主を茶事とか茶会を催して招き返すべきである。
ところが、招き返しすることは容易の業ではない、それで手土産でご免をこうむるというズルイ考え方である。

茶に招かれると、招かれた方には「借り」ができる。

近代数寄者達が「茶債」と呼んだやつだ。


返せる茶債か判らない。だから現金で清算しておく…のか。


私がお茶事を催したとして、おもたせの持参は御免こうむりたい。

私への茶債は、茶で返して欲しいし、返せないなら臨終の床で「ああ、あの人に一杯のお茶をさしあげられなかったな」と思い返して逝っていただいた方がよっぽどうれしい気がする。


まぁんなこと社中でうそぶいていたら浮きまくるので、それはそれでなんか考えんといかんでしょうけれど。