利休茶話2 再来

井伊直弼著の「閑夜茶話」から以下のエピソードが採用されている。

再来二重切
(中略)
利休は自作の二重切を、ある茶人にお贈りになった。
ところが、その人がちょっとした不注意から上の輪を損じてしまい、どうすればよいのでしょうかと、利休の元に持参してきた。
利休はそれをご覧になると、上部の残った部分を切り捨てて新しく釘穴をあけ、『再来』と銘をつけてお返しになった。再来二重切の形と名称はそれからはじまる、という。


んで、根津美術館に再来の竹花入がある。

http://www.nezu-muse.or.jp/jp/collection/detail.php?id=60021

この花生はもと遠州が娘婿で医者の半井琢庵に贈ったものであったが、その花生の月の輪が破損したのを遠州が上段を切り離したもので、その時に「再来」の銘を書き改めたという。琢庵は、容姿の異なった花生を見て多いに喜んだと伝える。

…。

利休のエピソードがあって、遠州の再来は「それからはじまる」のうちに含まれるのか。

それとも井伊直弼が、遠州の再来のエピソードを勝手に利休に焼き直したのだろうか?


…後者だろうなぁ。