利休茶話4 利休と台子

本書には利休と台子に対する、6つの逸話が収録されている。

利休は台子は習った通りやればいいので簡単ですよと言った 松風雑話
信長の前で利休は台子の点前を省略してみせた 三斎公御物語
信長の前で利休は台子の点前を省略してみせた 貞要集
秀吉の前で利休は台子の点前を省略してみせた 茶話指月集
秀吉は利休に台子の伝授を制限した 三斎公御物語
秀吉は利休に有楽に台子の伝授を許可したが、習いの無いのが習いと言った 貞要集

一番上のは置いといて、二つの物語が語られている。

  1. 利休は権力者の前で台子を省略して実演した
  2. 利休は秀吉に、台子の伝授を制限されていた

三斎公御物語と貞要集がその両方を採用しているのに対し、茶話指月集は前者のみ、それも信長を秀吉として語っている。


ある意味、これが茶話指月集の特徴かもしれない。


茶話指月集の利休と秀吉の関係は、朝顔の話といい、金の鉢に紅梅を入れる話といい、非常にこしゃくな感じに描かれている。一休さん将軍様みたいな関係?


で、茶話指月集はこう言いたいのではないか?

  1. 利休は秀吉を実は馬鹿にしていた
  2. 利休は秀吉に許認可をコントロールされる様な温い人ではない


若干徳川幕府への配慮とかも含めて、なんか利休という人のイメージに一定の方向性を与えようとしていたとしか思えない。

おかげで若干ヤな性格の人になっている気もするけどな。
…ごめん。若干じゃないや。