石州秘伝 石州三百ヶ条3 諸道具表前後の事
地震、大変でしたが皆様恙無くお過ごしでしょうか?
私は高層エレベーターは止まるし、電車は止まるし、とぼとぼと徒歩で家まで帰って来ました。
それでもたまたま家に近いトコで仕事してたので、ずいぶんと楽をしたのだと思います。
さて。一応、茶道ブログなので昨日の続きを。
道具の正面の話。
石州秘伝本:
諸道具表前後の事
器を置くに下のろくなる所に置くべし。
器に景あれば景のある方を前とす。
片さがりのあるものは傾きたる方を右へなす。
釜にはカン付片下りたるもの有ものなり其方を右へなして置也
然れども又もやうにもよるべし。
「器は下の平らな所に置きなさい。景色のある方が正面ですよ」
というのはまぁふつー。
「傾いたものは傾いた方を右にしますよ」
というのは、本勝手逆勝手に関係ないみたいだから、客への見えようが問題ではなさそう。
右手の茶筅で茶を点てる時、左手は茶碗を支える。その時に厚みのある側を持った方が扱い易いからだろうか。釜のカンの話は良く判らんけど。
「でもまぁ模様によるけどね」ってオチがいいよね。
茶道古典全集本:
諸道具表前後の事
諸道具何にても面并前後有也、
茶入・茶碗・水指にてもひきくかたむき候方を前と定る也、
或ハへらめ・ねちひつミなと有之所を前とする也、後といふハ其裏也、
右の外に置方なともなけれハ、前即面なり、或、前ハ右の通りニて、脇に置方、景なとあれハ、是を表といふ也、右のことく前と表と兩樣に有道具ハ飾ときハ、前を前として、客へ見する時ハ表を向へなして出すなり。
こちらでは傾いた方が前。景色があるのも前。
でも『前』と『表』が違うようなのが謎。
『前』を正面にする置き方が以外が無ければ、『前』が正面。
前を正面にすると、脇に景色がある様なものならば、そこを『表』という。
『前』『表』両方ある場合は、客へは表を向ける…ということか。
良く判んねーな。
茶を点てる時は傾き優先。出すときは景色優先なのかな?
点前が低い方が点てやすい、ともあんまり思えないんだけど。…逆よりかはましか。