石州秘伝 石州三百ヶ条5 水指の置やう水指により又座敷にもよるべし

水指の置き方について。

石州秘伝本:

水指の置やう水指により又座敷にもよるべし

水指の置所は定まりたる事なれども大きなる水指は前をくつろげて少し向へよせて置べし小なる水さしは少し前へよせて置ひろき座敷にては小なる水さし小座敷には大なる水指置くべし。

大きな水指は前を広げるために少し奥へ。逆に小さい水指は前へ寄せる。
座敷が大きいときは水指は小さく。座敷が小さいときは水指は大きく。

しっくり納得がいく話である。

若干引っかかるのは「水指の置所は定まりたる事なれども」の部分。

定まりたる事=なんらかのカネワリの存在を意味するのだろうか?ちょっと気になる。


茶道古典全集本:

水指の置様、水指により又座敷にもよるへし

此段ハ水指を主として云也、先用に立んと思ふ水指によつて、それより其外の道具を取合する也。
縦ハ釜の四角なるに水差の四角ハ置かたし、丸水指置てよし、
釜の鐶付上に付候に、水指の取手同様に上に付たるハ置かたし、取手なしの水指しかるへし、
或、茶入のすかたほそく高きに、同やうにほそき水指いかゝ、
茶碗のひらきたるにおなしやうにひらきたる水指置かたし、
又、座敷にもよるとハ、四疊半大目ニも大ふりの水指置合よき時有、小ふりの置て能時あり、
是道具により座敷によつて水指置様有也、万事此心得有之事なり、

ぜ、ぜんぜん置き方じゃねぇ!
水指のデザインが他の道具とコンフリクトしないようにね、としか言ってない。

これ本当に同じ箇条に対する教育内容なの?あんまりにも違うじゃん。