バブル
御所丸茶碗“夕陽”の落札価格が約11万。
その年、大正14年の日本の一般歳出が15億。
つまり国家予算の0.007%で茶碗一個が落札されている。
現代でいうと、国家予算が100兆として、その0.007%って70億円に相当しますよ?ま、米価換算だと1億1000万だけど。この辺単純に比較できないんだよね…。
ま、それはともかく、大正時代には様々な茶道具がガンガン売られ、買われていたわけですわ。…道具屋笑いが止まらないでしょうな。
さて、茶道具の値が上がり、売買も盛んになっていたこの時代。
これってチューリップバブルみたいな茶道具バブルに相当するのかな?って疑問に思いました。
んで、その視点で調べてみたんだけど…相当しないみたいですね。
- 茶道具ならなんでも投機の対象になったわけじゃない。
- そもそも投機を目的に茶道具を買ってるわけじゃない。買った人の本業は別にあって、茶道具の売却益で茶道具を買っているわけでもない。
- 値をつり上げた道具が、すぐに市場に再投入されていない。
そもそも、茶道具の値段が下落してません。
下落する前に、市場から消えて美術館に納まってしまったしね。
高橋箒庵もそういってるけど、単に旧世代の所有物が新世代に渡された、というイベントだったみたい。
…まぁ相当茶道具転がしに加担した箒庵が、そんな雰囲気が出ないように筆を曲げた…という考え方もでけんでもないですけどな。