茶道四祖伝書6 利休居士伝書 利休百会記

利休茶湯会帳面
千宗旦

木葉猿ト云茶入、もつさうとも云、尻ぶくら也。今(ハ)正宗(殿)所持。
木守茶碗聚楽焼なり。赤て一ツ故(木守トツク)。
あけの井戸天目、かは立ちたる天目なり。
ほつた台、人の名なり彫物ニ(テ)ハ無之(候)。

注釈にはこうある:

『利休百会記』に用いた道具の解説。千宗旦からの聞書である。

という事で、茶道古典全集にある「利休百会記」と校合してみたぜ。

木の葉猿
木守茶碗
あけの井戸天目
ほつた台
桐違棚
四方釜
宗甫棚
備前
曲水指
泉壷 ◯和泉壷として
橋立
高麗筒 ×
鶴の一声 ×
不楽
文阿 ×
黒茶碗
バケ物水指
早舟茶碗 ×
鉢開茶碗 ×

×の付いているのは利休百会記に出ないもの。
もしかして、これらの道具が出ていた異本があるのだろうか?

また、宗旦に利休百会記について聞いたという事は、随分早期に利休百会記は成立していて、宗旦も本物扱いしていたという事?
久田家には宗旦の写した利休百会記があるという話だけど、それを裏付けるのかな?なんかある意味ショックだわ…。


なお、茶道古典全集では「はけ物水指」を全て曲げ物水指として解釈していたが、

バケ物水指と云ハ唐物にて無之、日本にて無之、嶋にて無之、不知物故バケ物と易名付ける

化け物と曲げ物は別扱いの様ですな。