茶の湯早學び 常識修了篇

戸田宗寛/帝國茶道普及學會/1939年。

戸田勝久のお父さん、戸田宗寛の書いた入門書。

序にこうある。

日本茶道の國民的普及が本書刊行の第一義であります。

茶道を骨董視したり、限られた階級の趣味なりと敬遠したり、更に又華美な茶會が其の唯一の目的であるかの如く曲解したりする事は、茶道の本質の上から遺憾極まる事と申さねばなりません。

内容は

  1. 客方常識的作法
  2. 點茶法の割稽古
  3. 本勝手風爐薄茶點前手續き
  4. 本勝手風爐初炭手前手續き
  5. 本勝手風爐濃茶點前手續き
  6. 本勝手爐薄茶點前手續き
  7. 本勝手爐初炭手前手續き
  8. 本勝手爐濃茶點前手續き
  9. 稽古道具に関する知識

炭手前が入っているのが斬新だが、まあ普通の内容。

だが、この本の凄いのはここから先である。

…上記を自習で学んだ後で

この本付録の実習券を使って最大12回の実地講習が行えるのである。


淡々斎から東京での裏千家普及の命を受けた業躰、戸田宗寛。
彼の本気を見る気がする。


…ところでこの券。今持っていったら戸田勝久先生がやさしく教えてくれるだろうか?
律義そうだからしてくれそうな気がするなぁ。